心地よいを大切に - Concept -

人の“心地よさ”を研究するということ

みなさんは、どんな時に「心地いい」と感じますか?

緑豊かな公園を散歩している時、愛用のソファに座り本を読む時間。お気に入りのカフェで友人と過ごす休日。もしくは、湯舟に浸かって一日の疲れを癒すひととき、という人もいるでしょう。

私たちKONDOBOは、そんな“心地よさ”をモノづくりで叶えるため、信州大学と協力し、感性工学を使った共同研究を行っています。それは一体どんなものなのか、ikaeroにはどんな形で生かされているのかを、ここでご紹介したいと思います。

そもそも、感性工学とはどんなものか、みなさんご存知でしょうか。

きっとどこかで聞いたことがあると思います。ただ、きちんと説明できる人は少ないはず。感性工学とは人間の感性、“美しい”や“心地いい”といった、言葉では説明しきれない反応を科学的に解明し、社会やものづくりに生かす学問です。

 

よく、同じような使われ方をする言葉に「人間工学」がありますが、この2つはまさに似て非なるもの。人間工学が「人の身体を研究し、できる限りストレスなく使えるようものづくりに生かす」ことであるのに対し、感性工学は「人の感じ方を研究し、よりよい使い心地を得られるようものづくりに生かす」ことをいいます。やや難しい話が続いてしまっていますが、こうして並べると、何となくイメージを掴んでいただけるのではないでしょうか。

なぜ、この感性工学が必要なのか。それは私たちが「心地よさこそが、生活を豊かにする」と考えているからです。テクノロジーの進歩によってあらゆるものがいっそう便利になり、暮らしの中で煩わしさを感じることは少なくなりましたが、かといって人の心が満たされているかといえば、決してそうではありません。あるべき本当の豊かさのために、私たちは“人の心を重視したものづくり”をすすめていきたいのです。

さらに、もう一つ。私たちは今、ikaeroを通じて「自分たちが作ったものを、使ってくれる方の元へ自分たちの手で届ける」ことに挑戦していますが、その点でも感性工学は素晴らしい力を発揮してくれます。

例えば、ネット通販で商品を購入し、届いた実物を手にして「思っていたのと違ったな……」と、悔しい思いをした経験はありませんか? 商品の情報が画像やテキストだけでは伝わりきらなかった、ということですが、実はこれは、逆の立場からも言えること。私たちはikaeroを紹介するために「軽い」「あたたかい」などの形容詞を使っていますが、残念ながら、ikaeroの特徴をこれらの言葉だけで完璧に説明することはできないとも感じています。それは、一枚の毛布で「あたたかい」という人もいれば「これだけでは寒い」と感じる人もいるように、人間の感じ方というものが極めて主観的、つまり“人それぞれ”だからです。

そして、こんな目に見えないあやふやな感覚に、科学によって一つのカタチを与えてくれるのが感性工学なのです。例えば「ikaeroは一般的な素材Aに比べて2倍の保温性がある」という情報がひとつでもあれば、そのあたたかさがどれくらいのものなのか、なんとなく想像できますよね。またこうした数値があれば、ikaeroをじかに触れることができない人にも、その特徴をより具体的に伝えることができます。

インターネットの普及によって、商品を実際に手に取ることなく世界中からものを買えるようになった今、「人の感じ方を見える化する」感性工学は、今後ますます重用されていくことでしょう。感覚的な特徴をより正確にわかりやすく伝えることで、作り手である私たちと、製品を実際に使っていただくみなさんとの間により深いコミュニケーションを生むことができると信じています。

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